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18歳の夏20
「カート、こっちに」
ブレインは僕の手を引いてその場を離れた。
サムはお兄さん?じゃあ、浮気じゃなかった?
どうしよう。
ブレインに酷い事言った。
前を歩くブレインの表情は分からない。
凄く怒ってる?
無言のままブレインに手を引かれ中庭まで連れて来られた。
「カート、僕は君に力を使わない。約束する。だから聞いて欲しい」
「うん」
「君を愛してる。浮気もしない」
「うん」
「サムは兄だ。母さんと離婚した最初の夫の子供。異父兄弟。バスルームに居たのはたまたま。僕がシャワー中にサムがタオルを取りに来ただけ」
「分かった。勘違いしてごめん」
「いいんだ、あの時すぐに説明出来なかった僕が悪い。それに咄嗟に君を友達だって言ったのも僕が悪かった。
サムとは昔から色々あって」
「どういう事?」
「さっき見ての通り。サムは昔から男女問わず異様にモテるんだよ」
確かにさっきの様子は異様だ。
「更に最悪なのが僕と好みのタイプが同じ。
もっと最悪なのがサムは人の物を欲しがるタイプ。
僕の好きになった子、恋人は全員サムに奪われた。
だから、友達だって誤魔化してしまった。ごめん。
今は能力があるから回避は出来るけど正直トラウマなんだ」
「た、確かにトラウマになりそう」
「それに僕自身も自信無くしそうだったから」
「どういう事?」
「君の気持ち」
ブレインは辛そう。
「もしかしたら、君が僕を好きになる様に無意識に力を使ってたのかもしれない」
「ブレイン、、、僕は君のこと好きだよ。
もし、この気持ちがブレインの魔法のせいなら死ぬまで覚めたくない」
「カートはそれで平気なの?」
「僕はもうブレインを選んでる。この先も僕はずっと一緒に居たい」
「僕だって君は運命の人だって思ってるよ」
「じゃあ、もう僕を放って置かないで」
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