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18歳の秋2
トントン
「カートいる?」
ドアがノックされブレインの声がした。
たった1日離れただけでも寂しかった。恋人の甘い声に心が震える。
「ブレイン、会いたかった」
ドアの前で抱き合っていると、ブレインの後ろからコードがひょっこり顔を出した。
僕らより背が高い彼は上から覗き込むとニッコリ笑った。
「カートの友達?」
外出していたコードはコーヒーを片手に部屋へ戻って来た所だった。
「どうも、僕はブレイン」
ブレインはコードと握手を交わす。
「カートの恋人だ」
「え?ああ、君達ゲイだったのか。素敵なカップルだ」
「ありがとう、ちょっとカートと出掛けたいんだけど」
「寮の玄関は23:00に閉まる。電話くれたら開けに行ってあげるよ」
「ありがとう、助かるよ」
ブレインとコードは直ぐに打ち解けて連絡先を交換した。
「カート、じゃあ行こう。上着を持って来て」
今日の予定は僕は知らない。
「どこに行くの?」
「秘密だよ」
悪戯っ子の顔をした彼氏に今日の予定は全てお任せする事にした。
上着を羽織り、外に出る。
9月はもう大分寒い。
「カート、車で移動するから乗って」
ブレインの愛車のHonda 2007 Civicに乗り込む。
「カート、これを付けて」
助手席に座るとスカーフを渡された。
「目隠しだよ」
どうやらブレインは秘密の場所に案内してくれるようだ。
「どこに行くんだろ、楽しみ」
ブレインとならどこにでも行ける。
ブレインがいれば、それだけでいい。
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