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18歳の秋6
「え、うっそ、婚約したのぉ?!」
「ちょ、ちょっと、コード!声大きい!」
僕は慌ててコードの口を塞いだ。
大学の登校初日に変な注目は浴びたく無い。
僕は寮のカフェテリアで、同室のコードと一緒に朝食ビュッフェに並んでいる。
ブレインもそろそろカフェテリアに来る時間のはず。
「早く無い?まだ18歳でしょ?!」
「確かに早いかもしれないけど、どうせブレイン以外考えられないし」
「それ凄いね」
「重たい?」
「いや、全然いいと思う。ってか、俺の入る隙無いじゃん〜」
「入る隙?」
「俺にチャンス無さそうって事」
「何のチャンス?」
ブレインが背後から急に現れた。
「ブレイン!な、な、何でも無いから!」
「そう?おはよ、カート」
「おはよ」
3人で朝食メニューを皿に盛って席に着いた。
「ねえ、ブレインはネオヒューマンズクラスなんでしょ?どんな能力があるの?ビーム出たりする?空飛べる?変な触手とかあるの?!」
着席して早々にコードは身を乗り出してブレインに聞いてきた。
「全部、不正解」
「勿体ぶらず教えてよ!」
コードは興味津々だ。
「コード、静かに」
するとコードはピタっと話せなくなった。
大きな口をパクパクさせて怪訝な顔をしている。
「、、、?!、、、??」
「ブレイン、コードがびっくりしてる」
「静かで良くない?」
「意地悪しないで」
「コード、喋っていいよ」
「え?!うそ、何これ?どういう事?」
「ブレインは、言葉で人を操れるんだ」
「そんな能力もあるんだ、ネオヒューマンズって本当に凄いね!カートは操られてないの?」
「え?」
場が凍りつく。
「カート可愛いし、ブレインに操られて付き合ってるとか?」
屈託ない笑顔のコードに対して、ブレインは表情がスっと消える。
「僕はカートを操ったりしない」
大学初日から波乱の予感。
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