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18歳の秋8
「つ、疲れた〜。カート凄いね。俺もうヘトヘト」
コードは教室でグッタリしている。
午前中は射撃訓練、午後は接近戦の武術訓練だった。
コードは疲れ切ってるみたいだけど、僕は毎日ライアンの道場に入り浸っていたから特に疲れてないかも?
「俺、オヤジがボクサーだったし、地元じゃそれなりに強かったのに全然カートに敵わなかった。悔しい」
「コードのパンチ、凄く早かったよ!」
「当たらないんじゃね。意味ないよ」
すごく落ち込んでるみたい。
「アレ、なんなの?パンチ躱す技」
「合気道。日本の武術だよ。回転投げって技。僕、力ないから」
「そんなのどこで習ったの?」
「僕の地元に護身術の道場してる人がいるんだ。その人から色々教えてもらった」
「うわ、羨ましい」
「簡単な技なら僕からも教えてあげられるかも」
「えー!じゃあ部屋に戻ったら教えて教えて」
「いいよ、ブレインには先に部屋に戻るって連絡しておくからちょっと待ってね」
ブレインのネオヒューマンズクラスとはカリキュラム内容も時間も全然違う。
僕はメッセージを送るとコードと並んで寮へ戻った。
「カート、早速教えてよ!」
コードは荷物を放り投げると、飼い主を見上げるキラキラお目目の大型犬の様に僕を見つめて来た。
なんだか、憎めないキャラクターだな。
「いいよ。じゃあ、僕のパンチを躱す練習から」
改めてコードと向き合うと身長差は30cmぐらいある。
「僕が君を殴るなら右利きだから、右から左の方向へパンチが流れて行く。だからその流れを利用する。相手の力を使うんだ。君は左手で僕の右手首あたりを左に向かって押すと僕はバランスが取れなくなる。やってみて」
「オッケー!じゃあ、カート、殴ってきて!」
「うん!」
ボクサーなだけあって、パンチを躱すのに半歩下がって避けようとしたコードは慌て左手を伸ばしたけど僕の右手首には届かなかった。
「もう一回やってみよう。後ろに下がるって感じじゃなくて、左手をいち早く僕の右手首へ当てて、そうそう、その勢いのまま自分も左へ。そうすれば、バランスを崩しっわわわわわぁ!!」
コードは勘がいい。2回目ですぐに僕の右手を押して来た。
力と体格差でベッドまで飛ばされてしまった。
「カート!ごめんごめん、どこか打ってない??」
コードがベッドの上に倒れている僕にのしかかって来た。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「カート可愛いしなんかエッチな気分になるね」
「え?コード?」
どういう事?!
「ストップ!!」
え?!
急にドアが開いてブレインが現れた。
走って来たのか息が上がってる。
「何してるの2人は?」
ブレイン、怒ってる。
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