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18歳の秋9
「ブ、ブレイン、動けないー!」
コードが僕の上にのしかかって情け無い声を上げる。
「コード、カートから離れて」
コードはブレインの言う通りにベッドから降りた。
「カート、何されたの?こいつを僕は殺すべき?」
ブレインの怒った顔は珍しい。
「ブレイン誤解誤解!確かにカート可愛いかったけどまだ何もしてな
「黙って」
コードは口をパクパクさせる。しかも、まだ何もしてないなんて更なる誤解を招く言い方。
「カート、コードと同室なんて危険だ。すぐに部屋を変わってもらうか寮を出よう。そうだ僕と同棲しよう。近くのアパートを借りて
「ブレイン、大丈夫だよ、何もされてない」
「でも!」
ブレインは必死だ。
でも、大丈夫。
僕、君が思っている以上に強い。
君に守られて怯えて暮らしていた時よりもずっと。
君と出会って僕の心は強くなった。
ライアンと出会って僕は自分や大切な人を守る力を付けた。
「コードとは合気道の練習してて。ベッドに倒れ込んだだけだよ」
「けど!」
「大丈夫だから、コードを戻してあげて」
ブレインは全然納得してなさそう。
「分かった、、、コード、もう動いていいよ」
「ふぅ〜焦った〜!ブレインの力、本当に凄いね」
「僕の力はこの程度じゃない。変な真似したら
「殺す?」
コードは言葉に似合わず満面の笑みを浮かべる。
「殺すよ」
ブレインは無表情のまま答えた。
まだ僕は知らない。ブレインの闇を。
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