68 / 112

My Dark Side3

今日の授業はリチャード先生。 通称ミスト。ミラージュ。名前が2つある。 青白い顔に、肩まである黒髪をいつもオールバックにした偉そうな30代くらいの白人男性。 彼は霧と幻影を操る。 僕がこのクラスへ入って唯一良かった事はネオヒューマンズについて知る機会を得た事だ。 リチャード先生は霧と幻影の2つの能力を持っている。それはかなり珍しいケースらしいと聞いた。 まあ、彼はそれが自慢らしく教壇で何度も何度も自慢話をされて皆んなうんざりしている。 僕らはこのクラスで自分の能力のコントロールや力の応用を学ぶ。 他にも、他のネオヒューマンズと組んで力を掛け合わせたり、個人プレイになりがちな個々の能力でチームプレイを学ぶ。 座学ではネオヒューマンズとWIAの歴史。歴代能力者達のストーリー。 僕にとって本当にどうでもいい。 退屈で仕方ない。 カートが居ない世界は全てが灰色だ。 視界の片隅に君が居るだけで僕の世界は極彩色の楽園。 「聞いてるか、ブレイン•アンダーソン」 リチャード先生が目の前に立つまで全然気付かなかった。 「聞いてませんでした」 「私の話を聞いていないとは、いい度胸だ。授業が終わったら私の部屋へ」 面倒臭い。 放課後は一秒でも早くカートに会いたい。 「嫌です」 「そうか」 「、、、お前、今、力を使ったな!」 やばい、無意識に能力を使った。 「返事はするな、放課後、部屋へ来る事」 そう言うとリチャード先生は授業を続けた。 ああ本当にうんざりだ。 大学生活は想像よりもずっと最悪だ。

ともだちにシェアしよう!