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My Dark Side6

その異変は突然訪れた。 朝、目覚めたら声が、、、出ない? おかしい。 風邪なんてレベルじゃない。 どういう事だ? 今までこんな事は一度もなかった。 声を発しようと声帯に力を入れてみるが、息が漏れるだけで音にならない。 嫌な汗が背中を伝う。 まずいぞ。 声が出ないなら能力も失う? アレコレ考えていると同室のチェンがシャワーを浴びて出てきた。 「ブレインおはよ。どうかした?」 どうもこうもない、今、チェンに構ってる場合じゃない!話し掛けてこないでくれ!邪魔しないでくれ。 「あ、ごめんな。話し掛けて。邪魔しないように先に出るよ」 ? どういう事だ? 話せないのに操れた? というか、操るつもりもなかった。 何かがおかしい。 取り敢えず、身支度を整えてカートのところへ行こうとバスルームで顔を洗って鏡をみると、、、 声が出ないだけじゃない。 顔がおかしい? 目が、黒目が異常に大きくなっていて瞳孔が開いている。 僕に何が起こってる? こんな姿で部屋から出ても大丈夫なのか? 着替えを済ませて、恐る恐る部屋の外に出た瞬間、目の前に4人のWIAエージェントが現れた。 全員僕の能力を警戒してか、イヤーマフをしている。 「ブレイン•アンダーソン。一緒に来て下さい」 嫌だ。行けば捕まるとリチャード先生に言われた。 カートと引き離されるのは無理だ。 行きたくない!!! 絶対に!! これ以上カートと引き離されたくない。 僕に構うな!! 「分かりました」 声に出していないのにまた操れたらしい。 エージェント達は部屋に背を向けた。 4人のエージェント達は素直に帰るかと思ったら、次の瞬間にはお互いに銃を向け始めた。 「障害は排除します」 エージェントの1人が言った。 バンッバンッバンッバンッ 静かな寮に銃声が響いた。 エージェント全員がそれぞれの銃に倒れる。 嘘だろ。嘘だろ。嘘だろ。 そんな、そんな命令出してない!! 4人のエージェントは血を流し動かない。 僕が、、、僕が殺した? 僕の能力が? 無意識に? 僕の能力が暴走してる?

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