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My Dark Side8
「ブレイン?」
意識が飛びそうだ。
カートの声だけが僕をなんとか繋ぎ止める。
カートごめん。
巻き込んでごめん。
こんな僕に君は愛されてしまった。
「ブレイン?何か言いたいの?」
口を動かしても言葉は出てこない。
君は僕と出会わなければ、普通の人生を歩めていたのにね。
出血しているからか身体に力も入らなくなってきた。
カートは僕を抱きしめて必死に話し掛けてくれる。
「ブレイン、何か言いたいんでしょ?」
カートが真っ直ぐに見つめる。
「言って!!!」
いつになくカートの口調は強い。
「ブレイン、僕に言って!!!
言って!!!僕は知ってる。君が沢山の言葉を飲み込んでること!!!」
カートは泣きながら必死に訴える。
「ブレイン、大丈夫だから」
カートの涙が頬に落ちる。
「お願い」
こんな時なのに、カートは泣き顔も綺麗だ。
だんだんと視界も暗くなる。
おまけに寒気までしてきた。
このまま死ぬのか?
案外、呆気ないな。
まるで深く暗い闇に堕ちて行く様な感覚。
「おねがいだからぁ、ブレイン、僕を置い、、、てかないって言ったのに!!いやだ、目開けて!!」
顔をくしゃくしゃにして、涙と鼻水をすすりながら真っ赤な顔で必死にカートが僕にしがみつく。
「ブレイン、お願い何か言って!!」
僕はやっぱり君にとって、悪魔かもしれない。
死んでも君を誰にも渡したくないんだ。
ごめんね。
「、、、、、、カート、、、僕だけを愛して」
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