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18歳の冬5
「え、何それ、惚気話?」
コードは呆れた顔だ。
ブレインと夕食を食べた後は、それぞれ寮の部屋に戻った。
僕は部屋でコードと枕を抱えて、話し込んでる最中。
「え、コレって惚気話なの?僕は相談してるつもりなんだけど」
「だって、婚約してる彼氏に『僕だけ愛してー』なんて熱烈な事言われて、やっと2人は落ち着いた関係になったって話でしょ?」
「これ、落ち着いた関係なの?僕らまだ18歳なのにセックスレスになりそう」
「2週間ぐらいなんて普通でしょ?」
「そうなの?」
ブレインとしか付き合った事無いから分からない。
「なになに、カートはエッチの回数減ったから欲求不満でイライラしちゃってたの?」
「ち、違うよ!ただ、なんていうか、急にブレインが落ち着いちゃって、、、
あんなに強く心も身体も執着されて、重た過ぎるぐらいの愛情をぶつけられていたら、この温度差に戸惑うっていうか」
「まあ、確かに入学当初のブレインはカートを奪われない様に誰かれ構わず威嚇しそうなぐらい警戒してたよね。でもあの時のブレインはやっぱ辛そうだったけど?俺にも当たり強かったしー」
「そうなんだよね。僕、我儘なのかな?愛想尽かされない様にしないと」
「我儘でも良いんじゃない?恋人の我儘なんて可愛いもんでしょ?カートは可愛いから大丈夫。
まあ、俺からのアドバイスなんて要らないかもしれないけど、ブレインはカートに今でも夢中だし、ブレインが穏やかな気持ちになれたのは、カートの気持ちを信じられたって事でしょ?良い事なんじゃない?」
「コードっていつも優しいよね」
「そ?じゃー、俺に乗り換える?優しいよ?」
「乗り換えない」
「ははは、カートのそういう所好き。可愛いだけじゃない男らしい所」
「僕だって、誰にでも裏表なくハッキリ言えるコードが好き」
「両思いじゃん俺たち」
コードとはもしかしたら親友になれるかもしれないって思ってる。
ブレインともライアンとも違う。好きだよ。
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