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18歳の冬7
「緊張したね」
無事、ママに婚約の報告を終えて今はもうベッドの中だ。
クリスマスディナーを食べて、プレゼントを交換して、ゆっくり過ごした後に、シャワーを浴びて、僕らは少し狭い僕のベッドで天井を見上げながら手を繋いでいる。
「うん、緊張した」
電気を消して、薄暗い部屋はすごく静かだ。
「ブレインの気持ち、きっと伝わってると思う」
「ありがとうカート」
ブレインが僕の方を見て優しく笑う。
穏やかな表情。
ああ、やっぱり良かったんだ。
悩むことなんて無い。
熟年カップルみたいでもいい。
ベッドで手を繋いでるだけでも満たされる。
沢山の言葉を言えずに飲みこんでた、辛そうだったブレインを知っているから。
こんなにも穏やかに君が笑ってくれるなら、きっと良い関係なんだ。
「君に出会えて僕は本当に幸せだ」
「それは僕のセリフ。少し前まではイジメられて毎日地獄だった。君に出会わなければ本当にどうなってたか」
「君がすごく辛い時期を過ごしていたのは知ってるよ。でも、本当の君はとても強い。きっと僕と出会わなくても違う形で跳ね除けたんだよ」
ブレインと出会わなければ、違う人生を歩んでいたんだろう。
ネオヒューマンズもWIAも関わりの無い、普通の人生。
「不思議だね。少し前までは何の接点も無かった2人がいつの間にか、かけがえの無い人になってる」
その、僕のかけがえの無い大切な人をママにちゃんと紹介できた。
ママはちょっとだけ驚いた後は、嬉しそうに笑ってくれた。『私の大事な宝物よ。今度はあなたが大切にする番ね』そう言ってブレインの手を優しく握ってくれた。
その時のブレインの小さな涙は見なかった事にしてる。
「愛してるよ」
ブレインの手が優しく頬に触れる。
僕は堪らなくなってキスをした。
「ブレインもっと」
チュッチュッ
舌を絡めて深いキス。
息が上がって興奮しちゃう。
「カート、これ以上は我慢出来なくなる、、、」
どうしよう。手を繋いでるだけで心は満たされるけど、身体の方は、、、
「え?ちょっカート!?」
我慢できなくて僕は布団の中を潜ってブレインの上に乗った。
「僕だって我慢出来ない」
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