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僕の可愛いフィアンセ

「あ、どうも、ブレインいる?僕はブレインの婚約者のカート。宜しく!」 大学の授業が終わるとカートが教室まで迎えに来ていた。 「婚約者?素敵ね!私イリーナよ、宜しく」 近くに居たイリーナと何やらお喋りを始めた。 最近のカートは誰にでも「ブレインの婚約者」と名乗って牽制している。 そんな事しなくても、僕は君しか見えないのに。 可愛いからそのままにしてる。 でも、ゲイに対する偏見はどこにでもあるから君が傷付かなければ良いけど。 ネオヒューマンズクラスにもタチの悪いマッチョタイプが居る。 名前はディーク。 正直、昔のシェーンに少し似た所がある。 「オカマはさっさと出て行けよ」 ああ、やっぱり来たか。 教室がシンっと静かになる。 僕はカートを連れ出そうと手を取ろうとしたら何を思ったかカートはディークに近づく。 「僕がゲイでも君と関係無いよ」 「お前もブレインも、気持ち悪りーんだよ、オカマは出て行け!」 「カート行こう」 相手にするだけ無駄だ。それに大学では授業以外で能力を使う事は禁止されている。 能力を使えば死ぬまで喋れなくしてやれるのに。 「はっ、能力がなきゃ唯のフニャちんだ うわっ、うわあ!」 僕の隣に居たカートは、ディークの首に片腕を掛けたかと思うと一気に登ってディークの首を両足で挟み遠心力を使って振り回し床にうつ伏せに倒した。そのまま肘で右手首を決めてディークの背中に乗った。 「君こそ能力なきゃフニャちんだよ」 「い、痛ってえ、何しやがる!」 「暴れるとどんどん関節決まって痛いよ」 「は、離せ!」 「君の能力は右手から出すビーム。この体制じゃ使えないね」 カートの鮮やかな動きに教室から歓声が上がった。 「すっごい、今の何?!」 「かっこいい!」 「僕のフィアンセに暴言吐かないって約束してくれたら離してあげる」 「わ、分かったよ、クソッ!」 カートはディークを離すと僕の手を取る。 「行こ、ブレイン」 天使の様な笑顔の最強彼氏。 この後カートは進級試験で訓練生ダントツトップの成績を叩き出す。 僕の可愛いフィアンセだ。

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