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20歳の暗い夏4
大学は夏休みだけど、訓練生クラスもネオヒューマンズクラスも半数ほどが寮に残っている。
僕はワシントン本部から大学の寮へ戻った。
同室のチェンは中国へ夏休みの帰省中。
物凄く落ち込んでいるから正直助かった。
今は1人で居たい。ベッドへ真っ直ぐ飛び込んだ。
ゆっくり考える時間も欲しい。
カートの事。
グセフ共和国でのカートの任務は王位継承第二位にいるレオナルド•グセフの護衛と国外脱出任務。
訓練生のカートと、教官として同行したのはエージェント•ライナー。
カートの任務の詳細は、まだ高校生のレオナルド王子と同じ高校に転校生として入り込んで1週間ほど護衛し、準備が整い次第、国外脱出を手助けする事だった。
国外脱出はちょうどグセフ共和国のシェコフ首相率いる政府派が近々クーデターを起こす可能性があると情報が入ったためだ。
シェコフ首相は軍と手を組み王政を崩壊させようと暗躍していた。
カートは上手く高校に潜り込んで、レオナルド王子に張り付いていた。
だが、脱出の直前に何らかのトラブルがあってレオナルド王子は脱出前に王宮から転落し死亡。
カートは目を離した隙に王子が居なくなったと報告。
教官のエージェント•ライナーは消息不明。
今、グセフ共和国からもWIAが首相と結託して王子を殺害したんじゃ無いかと疑われているらしい。
グセフ共和国には調査にエージェント•メイとスティールが向かった。
こちらでは、リチャード先生とフェニックスが残ってサポートしてくれる。
早く解決してカートを必ず取り戻す。
「君無しじゃもう僕は生きて行けないんだよ」
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