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20歳の暗い夏2-8

「コード、俺は先に寝るぞー」 「うん、おやすみ」 寝室の電気を消して、ベッドサイドにある小さなサイドランプを灯した。 結局、喧嘩した2人の男はあの後、素直に帰っていった。 アーティも、その後は何事も無かった様に店に戻って仕事を再開した。 店を閉めた後に2人で2階の居住スペースに移動してからも何も聞いてこない。 僕はこのまま、コードとしてここに居て良いのかな? アーティには僕の事、話すべき? でも、、、僕は追われてる身。 アーティを巻き込みたくない。 それに、まだ気掛かりもある。 数分後、アーティが隣で寝息をたて始めた。 「そろそろかな?」 時刻は深夜3:10。 聞き耳を立てていると階下からカタッと小さな音がした。 「やっぱり来た」 僕は靴を履くと居住スペースのドアの前に立った。 ギシっと床板の軋む音がする。カチャカチャとドアの鍵を開ける音。 そして目の前でドアがゆっくり開いた。 「不法侵入です」 「うわ、マジか」 勝手に鍵を開けて入って来ようとしたディーンとサムが慌てる。 「ごめん、ちょっと失礼」 サムは僕に何かの粉を投げかけた。 「え?なに?!」 これは想定外! 「ほんと、すまん」 次にディーンが水をかける。 「嘘、なに?!」 「ごめんね」 次はサムが十字架を僕に向ける。 「痛かったらすまん」 次はディーンが銀のナイフを取り出した。 流石に僕が構える。 「それ、どうするつもり?僕を刺す気?無理だと思うよ。僕、見た目より強いから」 「刺さない刺さない、こんな可愛い子、刺す訳ないだろ、ごめん、念のため、コレに触ってくれるか?」 「どういう事?」 「刃に触れてくれ」 僕は警戒しながら刃に触れた。 「ヨシ、大丈夫だ」 「?何が大丈夫なの?」 「深夜にすまなかった、じゃまた」 2人が帰ろうとしたのを止める。 「ソレで帰れると思う?」 「思わない、、、です」 ディーンが困った顔で笑う。 「どういう事か教えて?コレ何なの?僕、ビシャビシャ」 短パンにTシャツ姿の僕は、ディーンにかけられた謎の液体で濡れている。 「濡れた姿もエロ可愛い」 「ディーン、ふざけないで。下で話そ。アーティ寝ちゃったから」 僕ら3人は一階の店舗に向かった。

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