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20歳の暗い夏4-3
「アーティ、遅くなってごめんね」
ディーンに店まで送って貰うと、ディーンまで車を降りて店の中まで着いてきた。
「まだオープンまで時間があるし大丈夫だ。それより、そいつは?」
アーティがディーンを冷たい目で見る。
「僕ね、ディーンと付き合う事になったんだ」
「よろしく」
ディーンがアーティに挨拶をする。
「おい、まじか、、、全然外出しなかったお前が急にどっかに行ったかと思ったら」
「相談しなくてごめんね」
「俺とは一度も出掛けたりしないのに、コイツとはすぐに消えたもんな」
実は僕、アーティの家に居候してからずっと家から出てなかった。
アーティに買い出しや店の用事を頼まれても全て断ってたし、外食やショッピングに誘われても断ってた。
「アーティ、拗ねないでよ。ごめんね」
「俺とは一歩も外に出なかったよなー」
「アーティ、ゴメンって」
アーティをハグすると、すぐに抱き締め返された。
「まあ、恋愛は自由だが本当にコイツでいいのか?」
「うん、いい。イケメンでしょ?」
「まあまあだな」
「ちょ、彼氏、俺だよな?!何で2人がイチャついてんだよ!」
「コード泣かせたら殺すからな」
「大丈夫だって、こんな可愛い子泣かせたりしないしない」
「俺とコードは開店準備するけど、お前はどうするんだ?」
「今日はアーティに挨拶に来ただけだから俺は一旦、弟の所へ戻る。またなコード」
「うん、またねディーン」
「愛してる」
「、、、僕も」
ディーンは楽しそうに帰っていった。
恋人のふり、難しい。
どうしてもブレインの顔が頭に浮かんでしまう。
恋しくて仕方ない。
会いたいよブレイン。
愛してる。
君はまだ僕を愛してる?
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