「──っ……ぁ、ああぁぁっっ……!!」　 　それは己の上で、竜紅人(りゅこうと)と繰り広げられていた香彩(かさい)の痴態に耐えられなかったと言わんばかりの、紫雨(むらさめ)の激しさだった。 　たった一突きで結腸の蕾を強く刺激されて、頭の芯が痺れたようになる。先端からは先走りが幾重にも滴り、紫雨の腹に蜜溜まりを作った。 　やがて押し開かれた場所が、熱い猛りの形までもはっきりと感じ取れるほどに、不規則に収縮を始める。 　くつりと紫雨が喉奥で笑った。 「……いい、締め付けだ。かさい…」 「はぁ……あ、んんっ…、 んんっ」 　抽送が始まれば香彩の喉が、甘い嬌声を紡ぐ。時折その声がくぐもるのは、香彩が竜紅人の雄に舌を絡め、離そうとしないからだ。 「んんっ…はぁ…んっ……ああっ、や…ぁ…… 」 　だが猛り勃った雄で奥深くまで突き立てられ、結腸の蕾を捏ねるように腰を回されて、香彩は竜紅人の雄から口を離し、甘い艶声を上げる。それでも香彩の手は、竜紅人の剛直から離さず上下に扱いた。 　不意に胸の頂きを悪戯に弄ぶ紫雨の指先に、香彩はびくりと身体を跳ね上げる。紫雨の手によって育てられた成熟した濃桃色の漿果を、つねるようにくいっと引っ張られながら捏ねられて、香彩はついに竜紅人の雄から手を離した。 「ああっ……！」 　同時に堪らないとばかりに、ひくつく後蕾。胎内(なか)は歓喜するようにうねり、捕らえた雄をきつく締め上げる。 「……かさい……っ」 「いや、ぁ…んんっ…んっ……や…ぁ……あ…、ああっ、だめ……ぇはぁ…… 」 　もっとこちらに目を向けろと言わんばかりの紫雨の下からの強い突き上げに、香彩はあられも無く淫らな嬌声を上げて、悦がり狂う。 　だがやがて今度はまるで、淫らに熟れた身体をじっくりと味見をするかのように、紫雨はゆっくりと腰を揺らし始めた。 　あまりの焦れったさに、香彩は強請るように紫雨の胸の上に頽れる。 　それを見計らったかように、紫雨の腰の動きが止まった。 「…あ……っ！」　 　後蕾に引き攣るような僅かな痛みを感じて、香彩は思わず突声を上げる。 　紫雨の熱楔の他に感じる、馴染みのある指。 「あ……あ……」 　いつの間にか紫雨の極太の肉刃と共に、竜紅人の三本の指が後蕾に挿入(いれ)られ、胎内(なか)を開けろとばかりに掻き回され拡げられる。 　痛みはすぐに別の快楽へと変わっていったが、香彩は戸惑いの声を上げずにはいられなかった。