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第180話 成人の儀 其の四十六★       ──想像と期待──

   二本の硬い剛直が胎内の一番奥を突き刺す。その熱くて苦しくて堪らない何とも言えない感覚に、香彩(かさい)紫雨(むらさめ)の白衣をぎゅっと握り込んで悶えた。  声の限りを尽くし出た艶声は、まるで悲鳴のようにも聞こえる。だがそれは決して悲愴感はなく、むしろ悦びに満ちた濡れ声だった。  ふるりと香彩の身体が震える。  何よりも一番弱い場所を、とても大切なふたりに貫かれたのだ。その事実は香彩を、胎内の極致へと追いやるには充分だった。 「は…、は…ぁ……っ、は…、んっ…」  快楽の渦が苦しいのか、荒い息遣いと共に香彩は幾重にも涙を溢す。  香彩がある程度落ち着くまで、ふたりは動こうとはしなかった。だがそれが却って香彩に、胎内(なか)の肉楔の形と熱さをありありと伝えてくる。そして紫雨と竜紅人(りゅこうと)は、後蕾の媚肉とは比べ物にならない、結腸の奥の蜜壺の、男根を淫猥に揉みほぐし、吸い付いては舐め尽くす様をじっくりと味わう羽目となった。  荒い息を吐き、もう堪らないとばかりに抽送を始めたのは、果たしてどちらが先だったのか。 「あ……」  香彩の胎内(なか)を、まるで競うように抽送を開始した紫雨と竜紅人の硬い剛直が、互いに違う動きをしながら、結腸の蕾を出入(ではい)りする卑猥な感覚に、香彩の腹の奥から再び熱を孕んだ淫靡な快感が滲み出る。 「や……はっ、あぁぁ……! もう……もう……っ!」 「今度は是非とも、本来の大きさの蒼竜を受け入れて欲しい……かさい」   竜紅人が後ろから、熱い息を吹き掛けるように囁く。  本来の大きさの蒼竜。  先程見たその姿は、蒼竜屋敷に連れて行かれ、交わったあの時よりも、一回りほど大きい竜体をしていた。  あの蒼竜を受け入れる。  竜紅人からその言葉を聞いただけで、香彩は無意識の内にその胎内(なか)で、二本の熱楔をきつくきつく締め上げながらも、蠕動する媚肉で肉竿を舐めしゃぶった。  それは、明らかな……。 「……期待、した? それとも想像したか、かさい。本来の大きさの蒼竜がお前の後蕾(ここ)を貫くのを」 「……違っ……! んっ…!」 「違わないだろう? かさい」  そう囁きながら竜紅人は、香彩の白くて華奢な身体を両方の手で、まあるい臀から卑猥な腰の括れの線、そして胸にかけて撫で上げた。  それだけで鋭い快感が身体中を駆け巡るようで、香彩は甘い嬌声を上げて、その白い身体をびくりと跳ね上がらせる。  竜紅人の指は、胸の頂きに辿り着くと、紫雨の手によってふっくりと腫れ上がった暈ごと摘まむ。きゅうと引っ張りながらも、色付いた漿果を強く捏ねられると、香彩は甘い啼き声を上げた。 「……や、あぁぁぁっ! そこっ……だ、めぇ……っ」  

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