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第190話 成人の儀 其の五十六★       ──快楽の境地──

「──……ッぁ──……!」  甘く灼かれながらも蜜壺を満たしていく甘猥な感覚に、香彩(かさい)は艶声も出せずにただひたすら感じ入る。  熱い。  熱い塊が動いている。    幾度かに分かれて灼かれ、注がれている中に、大きな神気の塊がゆっくりと動いているのを感じ取って、香彩は悶えた。  それは蜜壺の最奥にある、決められた空間に納まろうとしているのだと、無意識の内に理解する。  真竜のいう『神気溜まり』、縛魔師でいうところの『四神の眠り袋』と呼ばれる場所だ。  この熱い塊は玄武の光玉なのだと、香彩は快楽に冒された頭のどこかで、そんなことを思う。 「……あ、はっ、はぁ……んっ」   まだどちらかの熱が注がれ、蜜壺をゆうるりと捏ねている。  その動きが玄武の光玉の動きを早めるのか、ゆっくりと動いていた光玉が入り口を抉じ開けるようにして『四神の眠り袋』に納まった。  その全てが快楽に繋がる。 「──あ……! ああぁぁぁっ……!」  香彩は竜紅人(りゅこうと)の衣着をこれでもかと強く握り締めながら、今までに上げたことのないような深い艶声を上げた。  蜜壺の最奥を掻き回されているような感覚と、満たされた熱に、気付けば跨いでいる竜紅人の腰を、そして香彩の若茎を持つ紫雨(むらさめ)の手を腕を、しとどに濡らす。  それはあまりにも深い深い快楽だった。 「……ぁ……ぁ…」  どうにか荒い息をつきながらも、その身体の動きですら快楽に繋がるのか香彩は、びくり、びくりと身体を痙攣させる。  悦楽の境地から戻ってくることが出来ない。その深翠の瞳は熱を帯びて蕩け、現実(ここ)を映していないようだった。そして先程まであられもなく嬌声を漏らしていた、熱い吐息を弾ませる口からは、とろりと唾液を顎にまで滴らせている。 「……あと三回あるというのに、先が思いやられるな」  くつくつと喉奥で笑いながら紫雨(むらさめ)は、力の抜けてしまった香彩の腰と片足を軽々と持ち上げた。  状況を理解した竜紅人(りゅこうと)が、熱を放った余韻もそこそこに、荒く息をつきながら、身体を少し横へとずらす。  香彩の身体はそのまま横向きへと体勢を変えられた。 「…ぁ……」  反動で竜紅人の剛直の、胎内(なか)を擦り、張った部分が後蕾に引っ掛かるようにして、やがて抜けていく感触ですら、今の香彩にとっては快楽でしかない。  名残惜しむように尾骶と臀の割れ目に擦り付けられる竜紅人の剛直は、一度では足りないのだと言わんばかりに、まだ昂りを保っていた。  そして未だに結腸の蜜壺を穿ったままの紫雨の熱楔もまた、熱さを保ったまま脈打っている。  紫雨は再び自身の指の皮膚を噛み切った。  横向きの体勢になった為か、紫雨の眼下には形の良い右臀から太腿にかけての見事な曲線が晒されている。それを愛でるように見つめながら、紫雨は先程と同じように、ぽたりと香彩の右臀に血液を落とした。  ふわりと血の匂いが辺りを漂い始めて、香彩はようやくいまを認識し始める。    紫雨の指が動く。  描かれたのは青龍の陣だ……。  

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