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第363話 蒼竜との御契 其の十一 ★

「あ……あ……」    圧倒的な質量が胎内に入り込んでくる感覚に香彩(かさい)は酔いしれた。太く長大な竜の陰茎に胎内(なか)を押し広げられれば、尾骶から背筋をぞくぞくとした悦楽が駆け抜けて、深い濁音混じりの嬌声が漏れる。   「ああっっ……──! あっ! んんっんっ、はぁ…… 」    その声に、きゅうと高い声を上げて、蒼竜が香彩を心配そうに覗き込んだ。   「だい、じょうぶ、だよ……きもち、いい、よ……んんっ」    愛らしい表情に香彩が口吻に顔を擦り寄せれば、蒼竜はきゅうきゅうと鳴きながら、香彩の唇を舌で擦るように触れる。   「ん、りゅう……」    つられるように薄く口を開ければ、そろりと前歯を舐められた。やがて歯列を割って長い舌が口腔に入ってくる。香彩の口の中はすぐに蒼竜の舌でいっぱいになった。   「んんっ……」    細い舌先で舌を優しく吸い上げられたと思いきや、弱い上顎をじわりと舐められて、無意識の内に胎内(なか)にある陰茎を締める。  上からも下からも好きな人で埋められている感覚に、苦しいながらも愛しさが心から湧き出てきて堪らなかった。   気付けば蒼竜のもうひとつの陰茎は、香彩の陽物の裏筋を這うように宛てがわれている。尾の細くなった先端が、逃げられないようにする為なのか、陰茎と香彩の若茎をひとつに絡め取っていた。   「んっ……」    香彩はくぐもった声を上げる。  敏感な若茎の裏筋に、貼り付くように存在する凹凸のある滑りを帯びた陰茎が、僅かに動くだけで擦れてしまって身体が粟立って仕方ない。  一頻り口腔を責めていた蒼竜が満足したのか、ぐぼりと舌を引き抜く。その様を香彩は荒々しい息を吐きながら、ぼんやりと見つめていた。  ぐると唸る蒼竜に意識が引き戻される。  蒼竜の綺麗な深翠の瞳と再び視線が合う。心配そうに香彩を見つめる瞳の、その奥にある激情を、揺らめく情欲の焔を感じ取って、香彩は腰を高く上げる動作をした。  それはまさに獣の交尾だ。  四つん這いになって腰を高く上げて、長大な竜の陰茎を圧倒的な質量で以て征服される胎内(なか)を、嬉々として受け入れる。  香彩の薄い腹は竜の陰茎の形が分かるほどに盛り上がっていた。いま腹のどの場所まで受け入れているのか、ありありと刻まれて分かってしまう。苦しさはあった。だがそれ以上に気の遠くなりそうな深い快楽と、蒼竜を好きだという気持ちが全てを凌駕していた。  香彩は腹越しに愛しい蒼竜の陰茎を撫で上げる。  きっとその様子を蒼竜は見ていたのだろう。  とても低く唸りを見せた蒼竜は、我慢出来ないとばかりの咆哮を見せた。 「──っ! ひっ……あっ! ああぁっ!」  一息で最奥まで貫かれ、快感で思考が塗りつぶされる。だが蒼竜の陰茎は、最奥の更に奥に向かって突き進む。    

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