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第364話 蒼竜との御契 其の十二 ★

 香彩(かさい)胎内(なか)は艶めかしくも、ぐねりと蠕動し、竜の剛直を根元に至るまで歓迎していた。  苦しい。  熱い。  でも蒼竜から齎されるこの苦しさが、熱さが愛おしくて堪らない。  蒼竜の陰茎は易々と結腸の蕾を越え、舌が作っていた道筋通りにすぐそばにある『真竜の眠り袋』の袋口に辿り着く。  まるで見つけたと言わんばかりに蒼竜が低く唸るのを、香彩は聞いた。   「──あ……、んあぁっ!」    こじ開けるような勢いで、蒼竜の陰茎の先端が何度も何度も袋口を叩く。滑りを帯びた真竜の体液を塗り付けられる度に袋口はひくつき、蒼竜の鈴口に絡み付いた。   「や、ぁ……っ、奥、おくぅ……」    強請るような香彩の甘い声に反応したのか、蒼竜は更に突き入れる。袋口に密着した陰茎の先端が、ぐにゅうと音を立ててその入口を押し広げていく。  蒼竜の息遣いが、はっ、はっ、と獣のような短く息を切るものへと変わった。  袋口の半ばまで呑み込まれていくのを見計らったのか。  最後の一押しとばかりに蒼竜が強く突き入れた、その刹那。   「──あ、んああぁぁっっ!」    ずるりと陰茎の先端が、袋口の奥へと入り込む。  香彩はとてつもなく深い胎内(なか)の法悦に襲われた。  手が白くなる程に敷包布を握り締めて、途方もない快楽を逃そうとする。  だが袋底に辿り着いた愛しい蒼竜のものを離さないとばかりに、袋口はしっかりと陰茎を咥え込む。袋底で陰茎を味わう度に快感を植え付けられて、更に法悦の深みに嵌まった。極める度に袋全体が陰茎の先端を優しく擦り上げ、袋口と結腸の蕾が肉竿を締め上げる。悦楽に震える媚肉が蠕動し、陰茎をもっと呑み込もうとする。  根元にある丸く膨らんだ瘤ですら、嬉々と。   「──ひ」     陰茎よりも一回り大きいものを受け入れた衝撃で、香彩は若茎から白濁とした凝りを吐き出した。それは宛がわれた蒼竜のもう一本の陰茎の上に白い花を咲かせる。  それが刺激となったのか。   「あっ、あぁぁぁっ──……!」    袋内に熱いものを流し込まれる感覚に、香彩は酔い痴れ咽び啼いた。  どこか悲愴で、だが性の悦びに満ちた艶やかに啼く声は、真竜の本来持つ嗜虐性を擽るのか、蒼竜は猛然と腰を振り始める。  淫靡な水音と共に、袋内から掻き出された熱がつつと糸を引いて後蕾から垂れ、敷包布に大きな染みを作った。   「……待っ……、でてる、でてるからぁ……っ」    香彩の身体はびくびくと痙攣が続いていた。若茎から白濁がとめどなく溢れて、濃桃色の蒼竜の陰茎の上に、白い溜まりを作る。  蒼竜は悦びを隠すことなく、低く唸った。  限界を迎え始めた身体を更に追い立てられる。  蒼竜の陰茎が再び大きく震えた直後、熱い飛沫が香彩の袋底をこれでもかと叩き付け灼いた。   

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