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第365話 蒼竜との御契 其の十三 ★

「──っやあぁっ! とまっ……とまってぇぇっ……」    それは今までに受け入れたことのない熱の量だった。  断続的に吐き出されては袋内を熱く灼く。その度に襲い来る深い快感は、香彩(かさい)の想像を遥かに超えていた。  腰と膝が震えて、絶頂感がいつまでも追い掛けてきて、香彩の理性を崩していく。  それもそのはずだった。  蒼竜の滾りは二度熱を吐き出しても、未だに萎えることを知らない。  彼の竜の射精はまだ終わってはいないのだ。    ──真竜の発情期は執拗だよ、香彩。  ──特に目の前に自分の御手付きがいたら容赦ない。胎内(なか)にある竜核が、ちゃんと根付くまで離して貰えない。  ──熱もより粘着性を増して、確実に『核』と結び付くまで胎内に留まり続ける。  不意に(りょう)のそんな言葉を思い出す。  執拗だと彼は言った。まさにその通りだと、香彩は心内で応えを返す。  それに一度目の精に比べて、二度目の精の方がどこか重い気がした。先程まで後蕾から太腿に出来ていた、幾つもの卑猥な熱の筋がいまはない。   「──っ、はぁ、はぁ……!」     状況を理解して香彩は荒々しく息をついた。  陰茎が袋内に押し込まれる度に、腹の中に溜まっていく蒼竜の熱が、たぷんと揺れる。薄かった香彩の腹は、いつの間にか僅かに膨らみを見せていた。   「あ……やぁ、もう、ああっ! おなか……いっぱい、いっぱいだからぁぁ……」    香彩がどんなに啼き叫んでも、蒼竜の射精は止まらない。  寧ろその啼き声が真竜の本能を刺激するのか。  腰を高く上げた香彩の体勢に、もっと臀を突き出せとばかりに、蒼竜の口吻が香彩の背中を押さえ付けた。意図を理解した香彩が上体を低くして下半身を突き出せば、長大な竜の陰茎が真上から叩き落とされる。   「ひっ……! う、ああぁっ、やぁ……おく、も、やぁああっ!」    臀を激しく打つ肉の音に、香彩は意味のない喘ぎ声を上げることしか出来なかった。片肢で香彩の細腰を易々と掴み、情熱的に抜き差しを繰り返す蒼竜の陰茎は、香彩の袋底を犯す度に真竜としての本能を露わにしていく。   今一度、灼熱とも云える蒼竜の白濁を、たっぷりと袋内に注がれた。  ぐちゅり、ぐちゅりと淫猥な音を立てて、袋内を掻き混ぜる動きを見せながらも蒼竜が幾度となく精を吐き出す。奥へ奥へと擦り付けるその動きは、今まさに孕まそうとしている雄竜のそれだった。

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