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第369話 蒼竜との御契 其の十七 ★

 濃厚でどろりとしたものが、じわじわと袋口を灼き、結腸の蕾を灼き、腸壁の媚肉を灼き、後蕾を灼いた。溢れ出す白濁の動きに合わせるように、蒼竜が陰茎を香彩(かさい)胎内(なか)から引き抜いていく。  まだ胎内にいてほしいのだと願う、狂おしい蠕動すら押し退けて。    「あぁ……っ」    陰茎に絡んでいた媚肉が、擦れて引き出されていくような感覚に、香彩は悶えた。  やがてすっかり抜けてしまった後の後蕾は、蒼竜が穿った証拠と言わんばかりに、ぽっかりと口を開けたままだ。 「んんっ……」  大きくひくつきながらも、開いた後蕾がはくはくと動いたかと思うと、蕾は大きな華を咲かせる。華は実を結び薄紅色の熟れた果実となった。果実は卑猥な水音を立ててひくつき、淫らに蠢く。  その刺激にすら感じてしまって、胎内(なか)が震える。どぷどぷと果実から意識せず溢れる、たくさんの白濁の感触ですら快楽を呼んでしまって、身体が震えて堪らない。敷包布にはきっと見るのも恥ずかしいくらいの、白いとろとろとした大きな溜まりが出来ているだろう。   (……終わ、った……?)    ちゃんと終わったのだろうか。これで竜核はちゃんと結び付き、真竜となるのだろうか。  重ねに重ねた法悦の果ての、朦朧とする意識の中で香彩はそんなことを思う。   だが。   「──ひっ」    敏感な後蕾の果実を掠めた熱い陰茎に、香彩は喉を引き攣らせた。  いつの間にか香彩の若茎と、蒼竜のもうひとつの陰茎を固定していた竜尾が外れている。  いま後蕾の果実に感じるのは、もうひとつの陰茎の方だろうということは嫌でも分かった。何故ならこちらの陰茎は、まだ一度も熱を吐き出していないのだ。きっと本能のままに胎内で吐き出したくて堪らないのだろう。  香彩はいやいやと頭を振る。    「りゅう……だめ、もう……むり。挿入らない……おなか、いっぱい……」    啼き声混じりの香彩の言葉に、蒼竜はぐる、と唸った。  宥めるように後蕾を器用に掠める竜の陰茎の動きとその唸り声に、香彩は聞こえるはずのない竜紅人の声を聞いた気がした。  まだいけるだろう、と。  お前の後蕾(ここ)はまだ欲しがっている、と。   「はっ……」    無理だ。本当にもう無理だ。   そう思うのに竜の陰茎が後蕾の襞を掠める度に、咥え込もうと後蕾がひくつくのを止めることが出来ない。  

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