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第370話 蒼竜との御契 其の十八 ★

  「──あ、ああっ……!」     ゆっくりと蒼竜が陰茎を使って後蕾の果実を押し込める。その大きな体に対して、あまりにも不釣り合いなほどに繊細な動きだった。  長大な陰茎は、一度外に咲かせてしまった果実を元の場所戻しつつも、元の大きさに戻ろうとする胎内(なか)の媚肉をみちみちと抉じ開けて拡げていく。真上から突き刺さっていく雄楔の、大きさや長さ、熱さや楔を覆う凹凸を胎内(なか)でまざまざと感じて、香彩(かさい)は再び蒼竜の前脚にしがみついた。   (……もしかして先程の量を、もう一度……?)    まるで香彩の思考を読んだかのように、蒼竜の雄楔は結腸の蕾の手前で止まる。そうだと言わんばかりに陰茎の先端が、結腸の窄まりに幾度か接吻(くちづけ)を繰り返す。その度に、ぬとっとした陰茎の先走りが、窄まりとの間に濃厚な糸を引くのが分かった。  ああ、きっとこちらの雄楔の方が、粘着性が高いのだ。  かたかたと香彩の手が腕が、腰が太腿が震え出す。先程よりも濃厚でねっとりとした白濁をこの身の深いところに受けてしまったら、本当に自分はどうなってしまうのか分からなかった。積もり積もった快楽の織火は決して消えたわけではなく、今も燻り続けている。     ──発情期の雄竜は執拗だよ。    ──特に目の前に自分の御手付きがいたら容赦ない。胎内(なか)にある竜核が、ちゃんと根付くまで離して貰えない。     (りょう)の言葉が再び香彩の頭の中を過った刹那。   「──っ、あぁぁぁぁッ……!!」    他の男のことを考えてくれるなと、まさに絶妙の機を見たのだと言わんばかりに、雄楔が結腸の蕾を越え、袋口を越え、一気に袋底まで貫いてきたのだ。  熱い白濁が袋の中を満たすのと同時に、竜尾が香彩の若茎に絡みつき、自分の方がこの若楔に精通しているのだとばかりに、香彩の悦いところを扱き出す。  堪らないのは香彩だった。  ねっとりとして濃い灼熱に腹を灼かれながらも、若茎の柔らかい先端を尾先で捏ねられるのだ。若い陽物からどぷりと白い凝りが溢れていく。  粗方出し切ったと感じたのか、竜尾は若茎から離れ、香彩の膨らんだ下腹を柔らかな尾毛でするりと撫でた。   「あ……あ……」     その僅かな刺激ですら快楽に変わるのか、香彩が恍惚とした表情で艶声を上げる。  ぐる、と蒼竜は低く唸りながら、気遣うように香彩の唇を長い舌で擦った。それに応えたくて香彩は舌を出す。  口腔で絡め取られる舌の気持ち良さを感じながら、再び袋内を襲ってくる白濁の熱さに、香彩はくぐもった嬌声を上げながら、やがて意識を失ったのだ。

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