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第404話 竜の寵愛 其の十一

「──っ」    竜紅人(りゅこうと)が息を詰めたかと思うと、荒々しく息をつく。彼の艶かしくも官能的な息遣いと、精悍さに隠された甘さ混じりの表情に、ただただ感じるのは壮絶なほどの雄の色気だった。   「じっくり拓こうかと思ったが……胎内(なか)にこんなにも強請られたらなぁ……──っ!」    竜紅人がこれでもかと強く腰を突き出し、二本の熱楔が一気に奥にある結腸の蕾を刺激する。   「ひっ……あ、あぁぁぁ──ッ……!」    堪らないのが香彩(かさい)だった。  胎内の法悦の余韻をまだ残しながらも、一気に腰を進められて更なる快楽が香彩を襲う。しかも熱楔の根元の瘤が後蕾の襞を刺激する様に、香彩はいやいやと頭を降りながら、若茎の先端から御手付きの香りを纏った淫潮を撒き散らした。  より濃い蒼色に染まった衣着を、うっそりとするほどの幸福感に満たされたような表情で竜紅人は見る。手に付いた淫潮を、見せ付けるように丁寧に舐めている彼の様子に、居たたまれなく思いながらも、香彩の胎内はぎゅうと熱楔を食い締めた。   「そんなに気持ち良かったか? かさい。こんなにたくさん撒き散らして。ならもっと気持ち良くしてやろうなぁ」 「あ……あ……」 「俺の全てを受け入れて、かさい……」    竜紅人が更に腰を進める。   「──……っ! ……っ!」    熱楔の先端がぐぽりと卑猥な音を立てて、結腸の肉輪を越えた。法悦の頂点からまだ戻ってくることの出来ない香彩が、声にならない声を上げる。開き放しの口元からすっかり赤く色付いた舌が見え隠れし、口角からは蜜がとろりと溢れ出た。勿体ないと言わんばかりに、竜紅人が長い舌で甘い唾液を舐め取る。  欲しいのだと無意識の内に思ったのか、香彩は竜紅人に向かって舌を突き出した。喉奥でくつりと笑った竜紅人が舌を絡め取る。  しっとりと唇を合わせながらも、二本の熱楔が更に奥へと進んでいく途方もない悦楽に、香彩はくぐもった艶声を上げた。  そうして唇が解放された時には、香彩の一番奥『真竜の眠り袋』と云われる場所の袋口に、二本の熱楔の亀頭が嵌まる。根元のふたつの瘤もまた、ゆっくりと後蕾に吸い込まれていく様に、竜紅人が息を詰めた。   「……はっ……、かさい……俺の愛し子。後蕾(ここ)、こんなに拡がって……淫らだな」 「……ああっ……は……っ……、は……っ」 「呼吸を楽に……そう、いい子だ……かさい」    

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