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4-用法・用量を守って正しくお使いください(4)

さて、作戦を練ろう。作戦会議だ。 場所は昼休みの食堂。城崎さんは食べ終わって食堂から出ていったのを確認済み。 「決めにゃならんのは、タイミングと場所か?」 俺の向かいの宗さんが言う。 「なんて言って呼び出すかも重要だよ」 まだ食べ途中の高山さん。 「今、ちょうどいい映画やってますよぉ。サスペンスなんですけど、スパイス的に恋愛要素が入ってて、いちゃいちゃはしないけど、ちょっと、手ぐらいなら、つないでもいいかな、なんてヤツが」 どこからか嗅ぎ付けてきた灰谷が提案する。 「映画か。悪くねーな。観終わった後も、茶でも飲みながら感想話そうとか誘えるしな」 「問題はどうやって観に行かせるかだね。白百合さん、チケット余っちゃったなんて理由じゃ付き合ってくれない気がする」 高山さんがもぐもぐしながら考えてくれている。 しかし、炭酸水のペットボトルを傾けながら、宗さんは事も無げに言った。 「白田が白百合と一緒に映画を観たがってる、でいいんじゃねぇか。ただし、直接白田が誘うんじゃなくて、ワンクッション置いて、灰谷から頼む」 「しろやんが白百合さんとどうしても一緒に映画観たいって言ってるんだけど、自分で誘う勇気がない、だから俺が仲立ちするってことですか?」 灰谷が考えながら話を作った。 「確かに、俺が直接、一緒に映画観に行きませんかって誘っても、灰谷と行けって言われますよね。灰谷を挟んだら断りづらくはなるかもしれませんね」 「俺の顔を立てると思って、お願い! って頼み込んだら、もしかして? 行ってくれる、かも?」 灰谷は嬉しそうににこにこしてる。 「重要じゃん! 作戦の要じゃん! いいんですか? 俺がそんな大役もらっちゃって」 「灰谷にしかできない役だぞ、気張っていけ」 「はい!」 とうとう、作戦は動き出した。

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