59 / 120
5-ばかしあい(7)
ふふん。
今日はデニムパンツに大きめホワイトなトレーナーで、純粋さ強調ファッションにしてみた。
遊馬さんのマンションの前で出待ちしてるよ。
なんで出待ちなんかするのかって? ……遊馬さんと会う約束をしてないからだよ!
ふふ。うふふふふ。
昨日メッセージのやり取りしてたけど、結局遊馬さんが『一人で行く』って言ったきりになってるんだよね。
もう、いいじゃん。約束なんてしてなくても。直に会って、『じゃ、一緒に行きましょう』ってすればいいじゃん。
……実は、さぁ。
お風呂前のメッセージで、一緒に行くの断られたじゃん?
お風呂出てから、もう一回お願いしてみようと思ってたんだけどさ。
あー。
そのですね。
久しぶりにシコってしまった俺は、止まらなくなってしまったのです。
シャワー浴びながら数回抜いて、ようやく我に返って慌てて体を拭いて出てきた。
それでもって髪を乾かそうとしたら、電気機器の充電でコンセントが満員なのに気が付いてさ。
だから、満充電になってたスマホをコンセントから抜いたわけ。
それで無事ドライヤーを使えたんだけどさ。髪乾かしてる最中、スマホから目が離せなくなっちゃった。
頭の中には、しばらく前に灰谷が撮ってくれた、遊馬さんの画像が浮かび上がってた。
相手は誰だか知らないけど、少なくない色気をまとって微笑んだ遊馬さんの姿がそこにある。
髪を乾かし終わった俺は、どうにも抗えない力に操られて、その画像をディスプレイに表示した。
とうとう禁を破って遊馬さんでオナっちゃった俺だもん、もちろんするよね。
ちゅ、と遊馬さんに言い訳のキスをした。
好きなんです。好きなんです、遊馬さん。
こんな……こんなことをしてしまうほど、好きなんです。
下着に手を突っ込んで、今さっき欲望をいやになるほど吐き出してきたばかりのくせに、まだ吼え猛る気に満ち溢れた俺の一部を取り出した。
遊馬さんを見つめて根元を握ると、手の中で、ぐぐ、とまた存在感を増す。
ゆっくりと上下に扱いて、切なさに思わずうめいた。
「ん、ぅ……」
薄紅の唇を湿す赤い舌。
もどかしいほどゆっくりと攻めながら、舐めるように裏筋を丁寧になぞり上げて――自慰を覚えた猿のように快楽を貪った。
「ぁ、はっ……んぅっ……あす、ま、さんっ……! 」
◇ ◇ ◇
お願いします。
今だけ耳を、目を、塞いでいてください。
俺の声を聞かないでください。
俺の痴態を見ないでください。
「…………は、ぁっ!」
罪悪感の中、何回達したかもう分からない。
力尽きて眠りに落ちた。
ともだちにシェアしよう!