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6-愛してほしいの(2)

そんなこんなで特訓して、三十秒に一度、二秒間くらいは俺を見つめてくれるようになった。それ以上見つめると、赤くなったり、喋れなくなったり、遊馬さんの動作が不安定になる。 でも、抱き合うのは大丈夫みたいだ。 ぎゅっと両腕で抱きしめ合って、頬をくっつけて、耳元で囁き合うことも可能だ。 ただし、囁く内容については注意が必要だよ。『好き』『愛してます』みたいな直球な言葉を使うと、十中八九遊馬さんは「馬鹿!」って言って真っ赤になって、顔を見せてくれなくなるから。 唇を重ねるのは可。舌を絡めるのは、遊馬さんの気分次第で、できたりできなかったりする。できない場合は、遊馬さんはがんとして唇を開いてくれなくて、真っ赤になって目をつぶってぷるぷるする。そして、「そんなキス……無理だ!」なんてセリフが聞ける。 問題はこの先、セクシャルな接触。 まだ調査中なんだけど……本当にこの方、枕営業していらっしゃるの? キスしながら指先で遊馬さんの背筋をつつつって煽るように撫で上げたら、「しろたッ! からかうな!」って首から上全部赤くして怒られちゃった。背中をマッサージしながら背筋をごりごりって刺激してあげた時は気持ちよさそうにしてたから、触るのがだめなわけではないみたいなんだけど。 実験してみよ。 遊馬さんに後ろから抱きつく。うん、大丈夫。 背中におでこをつけてぐりぐりってやっても、ほっぺをつけてしばらくじっと抱きついていても、大丈夫。 お腹の辺りにまわしていた俺の手を、左はそのままお腹に、右を胸の辺りにまで上げてみた。すでに、何するんだろうって、遊馬さんが身構えてる気配がする。 お腹をさすさすしてみる。 「何してるんだ? しろた。特にお腹は痛くないぞ」 「いえ、なんとなく。遊馬さんに触りたいんです」 「そうか。ほどほどにな」 お腹、問題なし! 次、むn「胸をさぐるな!」 さわっ、て指をさりげなく這わせたら、途端に怒られた。 「何のことですか?」 「とぼけるな。今、探しただろ」 「何を?」 「その……小さいやつ」 遊馬さんは一所懸命言葉を選んでいる。 「ああ、ほくろですか」 遊馬さんうつむいちゃった。 「そ……そうだな……」 ああ、恥ずかしがり屋さんな遊馬さん大好き。 なに考えちゃったのか、だんだん顔が赤くなってきた遊馬さん最高に可愛い。 俺はもうたまらなくなって、遊馬さんの首筋と耳に、いっぱいキスの雨を降らせた。

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