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6-愛してほしいの(16)

「遊馬さん、キスしたいです、キス」 場の雰囲気が明るくなってきちゃった。どうなのこれ。エロティック方面に戻さないと。 遊馬さんの返事は聞かずに、半ば強引に抱き寄せて、というか抱きついて唇を奪った。 んー、とか、むー、とか言っているのを無視して口内を愛撫していたら、急に遊馬さんの何かのスイッチが入った。 俺に押される一方だった遊馬さんの舌が、ゆっくりと俺の口の中に入ってきた。 ぬるりとしたそれは嘘みたいに柔くて自由自在に動き回る。俺が感じる場所をなぜか全部知っていて、的確に快感を与えてくれる。 歯列を丁寧に愛撫した後、少し離れた上顎の凹凸をなぞられて、俺は早くも我慢できなくなっていた。キスってこんなに気持ちいいものだったっけ。 熱を持ち始めた雄を思わず遊馬さんの腰に擦り付けたら、遊馬さんのすべすべの手が、するりと下着の中に入ってきた。 細い指先で煽るように玉を揉まれ、屹立をきつめにさすりあげられて、あっさりと俺は遊馬さんの手の中で達した。 「……」 ぬれた手をティッシュで拭きながら、遊馬さんが無言で俺の目を見る。思わず俺は言い訳をした。 「ち、違います。今のは油断してて、本当はもうちょっともちます。決して早漏ではないですから!」 「そんなこと責めてないよ」 遊馬さんが表情を緩めて俺に軽くキスをした。 「しろたはちゃんと男だったんだなって、思って」 「もう! 見た目はちょっとアレですけど、俺はれっきとした成人男子でむぐ」 反論したら、キスで口を塞がれた。 「むぐぐ、むぐ、ぷは」 「なあ、しろた」 「はい」 「そろそろ……、その、な。欲しい」 遊馬さんがうつ向き気味に何かをねだる。俺は返事の代わりに小さくキスを返した。

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