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第8話
「なあ、お前中に入れられたいんだろ。さっきから腰が動いてんだよ」
ばしっと太股を、脇腹を思い切り叩かれる。一発、二発、三発。
「んぅっ!」
痛みと衝撃に呻くと、そのうめき声に興奮したのか、中嶋の屹立から精液が漏れた。
「こっちを見ろ、ショウ」
ショウはのろのろと身体を動かし、うつ伏せた体勢から少し顔を上げて中嶋の怒張を見つめた。
その行為の何かが中嶋を煽り、間の抜けた「ああ」という感じ入った声とともに、白濁がショウの顔を汚した。
荒い息を吐き、中嶋はにやりと満足そうに笑った。
「お前、色が白いから、叩いた所が赤くなってすげえそそる」
舌なめずりをするように観察され、ショウは不快感を隠して「ありがとうございます」と吐き出した。
「もうすぐ時間だな。また頼むわ」
中嶋は自分だけさっさとユニットバスルームへ消えた。
ショウは痛みに耐えながら起き上がり、持ち込んだミネラルウォーターとホテルに備え付けのタオルを使ってどうにか口の中や顔や髪を綺麗にした。予約は二時間で、とても自分がシャワーを使う余地は無かった。
中嶋の歳の頃はおそらく四十代半ば。ショウの父と言ってもおかしくない年齢であり、誰もがよく知る電機メーカーに勤めている。ショウが会うのは四度目で、前回から三週間くらい経っていた。痣が消える頃に予約が入るのだった。
そのたびに殴られる。暴力が過剰になったらマネージャーに話そうと思っているが、どの程度まで我慢すべきなのか計りかねていた。
床に落ちていたティーシャツをかぶり、ゆるいワークパンツを手にしたところで吐き気がした。慌てて備え付けのゴミ箱に嘔吐した。
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