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第24話
普段は長い前髪に隠れているが、ナツキの瞳は大きくて結構眼力がある。その圧を感じながらショウは照れながらも正直に白状した。
「こないだの土曜の夜に、好きだって告白して、……僕もって」
「え、例のお客様? なんでそんなことになってるわけ?」
「な、成り行きで……」
ナツキはショウと同じ歳で、デリバリーホストのバイト仲間だ。店舗もなく、マネージャーからの連絡を受けて指定された場所に赴くだけなので基本的にはホスト同士の横の繋がりはない。だが、一度、ホストを二人寄越して欲しいとの要請があり、ナツキとショウが派遣された事があった。その時に仲良くなって以来、ナツキはしょっちゅうショウの家に遊びに来ている。
実家住まいのナツキは、家族との折り合いが悪く居場所が無いと零したことがある。合鍵こそ渡してはいないものの、ショウが家に居る時はいつでも来ていいということにしていた。ショウも家族とは疎遠なので、ナツキの気持ちが分かるからだった。
また、近くに係累も友人も居ないショウにとって、ナツキは頼りになる良い相談相手でもあった。
「へえ。成り行きね。ショウちゃん、俺、前に言ったよね、お客様を好きになっても仕方ないって」
「言ってくれたね」
それは彰人に初めて会った日のことだ。約束の六時間があっという間で、朝になるのが惜しくて、後ろ髪を引かれるようにマンションを後にした。嬉しくて楽しくて、昂揚する気分をそのままにナツキに伝えると、「マジになんなよ」と諫められたのだった。
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