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第2話(4)

 中学ん時、創介の部屋で創介の兄ちゃんのエロ本見ながら、エッチしてーぇ!って言ったらまさかの創介は既に非童貞で。  あの時の置いていかれたような裏切られたようの感覚。ショックで俺はしばらく口をきかなかった。結局、 「雄吾。兄貴からDVD借りたけど、お前も見るか?」  って普通に言われて無視していたら、 「お前は巨乳と美尻どっちがいい?」  って聞かれて頭ん中そんな妄想だらけだった俺はすぐに釣られて創介の部屋に行ったんだけど。  自分でも自覚あるくらいエロに興味がある。  大学に入ったら今度こそ彼女を作って初彼女と甘々な生活ってのを夢見ていた。  まぁ、しょっちゅう女が変わるリア充の創介に絶対この部屋には女連れこむなって言ってあるから近くのラブホ調べたりして……創介に「彼女つくんの先だろ」って鼻で笑われたけども。  シャワーを出して体の泡を流す。ついでに目の前の鏡にも水をかけて、俺はじっと鏡の中の自分を見つめた。  2cmしか変わらない身長。なのにあいつの体は引き締まっていて、筋トレとかちゃんとしてんのか?って感じだった。  鏡を見つめてみても、あいつより劣る部分しか見当たらなくて俺はため息を吐きながら湯船に浸かる。  邪魔な前髪をかき上げてただぼんやりと天井を見上げた。

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