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第2話(6)

 ……最っ悪だ。  結局、創介に体を拭いてもらうことになってしまった。 「服も着せてやろうか?」  って笑われて、それは断って今ノロノロとパンツと短パンだけを穿いた俺はしゃがみ込んで大きなため息を吐く。 「雄吾、水」  またドアが開いて文句を言おうとすると、創介に脇に手を入れられて立たせられた。  左手にグラス持っているのにその腕には俺のTシャツを引っ掛けているし。 「ほら、ちょっと水飲んで扇風機でも当たってろ」  リビングに置いてあるガラステーブルの上にグラスを置いて座らされて、俺はくてんと冷たくて気持ちいいテーブルに顔を付けた。 「おい!冷えるからシャツだけは着とけ」  無理矢理起こされて頭からTシャツを被せられて、 「おかんかよ」  言ったら、めっちゃ睨まれる。  だって、母さんってすぐそういうこと言うじゃん。  慌てる俺を無視して、創介は無言でキッチンに入って行った。  やめろっ!!その無言。  昨日何があったかちゃんと聞きたい気持ちと聞きたくない気持ちはぐちゃぐちゃに入り混じっているし、朝のアレは酔ってでも何でもない現実。  どんなつもり?って聞いていいものかどうか……。

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