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第3話(2)

 うぅ……と唸ると、ドアが開いた。 「あ、起きてんのか?」  創介が入って来てカーテンを開かれる。  眩しさに目を瞑ると、創介は笑いながら俺の頭にチョップを落とした。 「起きてんなら着替えろ」 「……なぁ、創介」  そのまま出て行こうとする創介の後ろ姿に声を掛けると、創介は振り返って面倒くさそうにこっちを見る。 「誕生日おめでとう」 「あ、あぁ。ありがと。俺、今日出かけるからカレー作っとくからな」 「は?何で?」  言うだけ言ってまた出て行こうとする創介に不機嫌を丸出しで聞くと、創介は渋々立ち止まった。 「何でって……」 「ワインは?」  珍しく口ごもった創介をベッドの上に座ったままで見上げる。 「お前……飲む気か?」 「ダメなのか?俺とお前のワインだろ?」 「いや、そうだけど……」  もしかして、創介も気にはしていたのか?  何でもない風だったけど……少しは迷ってたか? 「なら、出かけてもさっさと帰って来い。ワインはお前のバイト先に管理してもらってんだろ?ちゃんと持って帰って来い!」  ベッドの端に座り直して創介を見ると、創介は大きくため息を吐いた。 「……容赦しねぇぞ?」 「は?何が?お前の誕生日、しかも20歳だろ!ちゃんと祝うっつの!」  余計なこと考えてないで祝おうって覚悟したんだもん!

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