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第3話(3)
夕方5時過ぎに帰ってきた創介はさっさと洗濯物を取り込んで畳むと、それぞれの場所に戻して夕飯の支度を始める。
「昼、サンドイッチうまかった」
「ん、ならよかったな」
カウンターからキッチンを覗いて声をかけると、創介はこっちを見て笑いながら買い物してきたらしい箱を出した。
「何それ?」
「ワイングラス。せっかく飲むなら……と思って買ってきた」
「おー!さすが!」
「あと、生ハムとチーズな」
どんどん買ってきたものを出す創介を見ながらわくわくしてきた俺。
うん、普通にできんじゃん!大丈夫だ!
「いーじゃんっ!なぁ!チーズ食うと性欲高まるってマジかなぁ?」
「……は?」
あれ?
変な感じで固まった創介を見て俺は何かドキドキと心臓の音がうるさくなる。
外したのか?気になってたことを聞いただけだったんだけど。
「食ってみたらわかるんじゃねぇの?」
言いつつサラダをカウンターに出されて、俺はそれを下のガラステーブルに置く。
「これも出すか?」
見せられた物を見てもよくわからず首を傾げると、創介は持ったままキッチンから出てきてテーブルにそれを設置した。
「チーズフォンデュ」
陶器の器にチーズを入れながらこっちを見られて、俺はやたら出てくる唾を飲み込む。
「お前は飲んだらどうせヤる気になるんだろうけどな」
創介の呟きは俺には届かなかった。
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