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第3話(4)
「よし!じゃあ、改めて……創介!誕生日おめでとう!!」
俺は隣同士でラグに座った創介に向かって茶色の箱を差し出した。
「え?」
「誕生日プレゼント!あと、日頃のお礼」
へへっと笑いながら誤魔化すように箱を押し付けてからパスタに手を伸ばす。
「サンキュ……」
言いながら箱を開けた創介をちらっと見ると、創介は柔らかく微笑んでいた。
「ど?」
「いいな……これ」
箱から出してすぐに立ち上がってカウンター脇に置いてある鍵をそこに付ける創介。
創介がそのキーケースを持つ姿に満足した俺は笑みが止まらない。
「よしっ!じゃあ、飲もうぜ!これ開けてよ!」
ワインのボトルを創介に渡すと、創介はキーケースをしまってため息を吐いた。
「明日、文句言うなよ?」
「は?何?実は創介も開けられねぇの?俺と一緒じゃん」
笑ってラグに両手をついて足を投げ出す。
目を細めた創介は無言でフォンデュフォークにウインナーを刺してチーズをたっぷりつけたそれを俺の口に入れてきた。
「お前は黙って食ってろ。チーズでムラッとくるか検証すんだろ?」
「えー!来ねぇだろ?」
「さぁ?調べてみたら性欲増進させる食べ物ではあるらしいぞ?」
ニヤリと笑われて、俺は喉をヒクッと鳴らす。
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