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第3話(5)

 何でそんな艶っぽい顔するんだ?  ドキドキうるさい心臓を押さえつける。  店で借りてきたというソムリエナイフで器用に開けていく創介から目が離せない。  カッコ良すぎねぇ? 「ん」  グラスを渡されて持つと、創介は器用に注いでくれた。 「てか、創介が誕生日なんだから俺が注ぐんじゃねぇの?」 「お前、零すだろ」  な訳ねぇだろ!……とは言えない。  うーん、たぶん零すもんなぁ。  ムスッとして頬を膨らませると、創介は自分の分も注いでグラスを掲げた。 「ほら、雄吾」  声をかけられて2人でグラスを合わせる。 「これで俺ら2人とも20歳だな」  笑って口を付けると、創介も微笑んでグラスを傾けた。  思っていたより飲みやすくて聞いていた赤ワインの印象とは違って色も綺麗だ。 「そーすけぇ……これ、見て!ほら!めーっちゃキレー」  グラスを下から見つめて笑うと、創介に取り上げられる。 「何、お前一口で酔ったの?」 「んな訳ねぇだろ!返せよー!」  手を伸ばして創介の手にあるグラスに口を付けた。ヒヒッと笑いながら口を少し開けると、創介が傾けてくれて不思議と甘く感じる香りと共にその液体を飲み込む。 「ふ……あ……っ」  何かふわっと気持ちよくて創介にもたれかかると、創介は舌打ちしつつ自分のグラスの中身を飲み干した。

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