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第4話(7)
わざとなのか耳に息をかけながら言われて肩を震わせる。
恥ずかし過ぎて目を合わせないように胸にくっついていた俺は創介に無理矢理仰向けにされてしっかり顔を合わされて情けなく眉を寄せることしかできなかった。
「今回は覚えてるっぽいな」
ニヤニヤ笑われてプイッと顔を横にしたのに首筋をペロッと舐められて、慌てて押さえると創介と目が合う。
「うぅ……」
まともに見れない。そんなニヤニヤしている創介の顔なんて。見た瞬間から火が出て恥ずか死ぬ!!
「雄吾」
やめろ!そんなイケボでしゃべんなっ!!
「何ガッチガチに緊張してんだよ?」
耳元でしゃべられて身体は勝手にビクッと大きく跳ねた。
それで気分もよくしたらしい創介は口の端を上げてじっと俺を見下ろす。
「お……お前、彼女居るだろ!!こ……こんな男相手にしなくたって……素敵なおっぱ……」
「はぁ?」
創介の声がちょっと低くなって俺は言葉が喉に突っかかってしまった。
俺の腰を押さえていた手も外されてそろりと創介を見ても目が合わない。
「そ……」
「風呂入ってきたら?」
急に突き放された気がする。
何なんだよ!!
慌てて創介の部屋を飛び出すと、俺はそのまま風呂場へ走った。
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