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第5話(5)
「拭いて欲しいのか?」
バスタオルを被ったまま立ち竦んでいると、創介に声を掛けられてギュッとタオルを握る。
「顔……惚けてんぞ」
俺の頭に手を付くと、さっとキスをして笑って下だけを穿いて創介は走って行った。
んなっ!!……何なんだ!?
あいつも出したはずなのにあのキビキビした感じだし。
俺なんて倦怠感っていうの?頭もまだ半覚醒のようなモヤのかかった状態なのに。
そもそも……何であんなことになった?
デジャヴで……なぜか怒られて……でも、風呂では普通……じゃねぇか。抜き合うなんて非日常過ぎる!しかも、さっきキスしたぞ!?
ここ最近おかしい。
酒のせいか?
飲んでエロいことになって、朝……また抜く。
いや、おかしいだろ!!
「雄吾!俺、行くから!飯は机の上、昼は冷蔵庫ん中な!」
パッと創介が顔を出して跳ね上がる。
「意識し過ぎ」
笑って出て行った創介の後ろ姿を見て俺は壁にもたれてズルズルと座り込んだ。
「意識するだろ!くっそ……」
童貞ナメんなよ。
顔を上げるとちょうど創介のパンツが目に入って思わず目を逸らす。
ただのパンツ。
何てことないのに……創介の眉が寄ったあの顔とか吐息を思い出して下腹部がきゅぅっとした。
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