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第6話「聞いて下さい!!」
あれから10日。
まともに創介の顔が見られなくなって新学期……俺は自分でもやべぇって思うくらい創介を避けた。
「|莉音《りお》先輩?」
とりあえず、編集でもして気を紛らわせようとパソコン室に向かうと、パソコンの前でぼーっとしている同じ映画サークルの3年の莉音先輩を見つけて肩をつつく。
先輩はこのサークルで音楽と編集を担当していて、俺と創介に編集を教えてくれた人でもある。
同高の|大和《やまと》先輩とよく一緒に居るんだけど……最近ちょっとおかしいのが気になっていた。
2人で居る姿を全然見ないし、俺らより10cmくらい小さくて小柄なのにいつも3人前食べるかなり明るい人なのに、ため息ばかり吐いているから。
「ん?あぁ……てか、お前も1人とか珍しいな」
笑ってヘッドホンを外す先輩を見ながら俺は先輩の隣のイスを出して座ると座面の両脇を掴んでじっと黙り込んだ。
「雄吾?」
声がして顔を上げると、ぽろっと涙が溢れる。
慌てた先輩はポケットからハンカチを出して貸してくれた。
「先輩……先輩も大和先輩と何かありました?」
情けないくらいの涙声で言うと俺は先輩を見る。
一瞬息を飲んだ先輩。きょろきょろと周りを見ると、先輩はフーッと息を吐いた。
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