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第7話(6)

「最初って……斎藤?」  記憶を辿って首を傾げると、 「そう。幼なじみの俺にお前の好きな食べ物とか昨日は何してたとか聞いてきて毎日話してた。で、あの日はお前が委員会で俺は教室で待ってて……また斎藤が来たんだよ」  創介の足の間で膝立ちをしている俺の腰が引き寄せられて俺たちはピタリとくっついた。 「あいつ、お前のこと好きってずっと言ってたのに俺のこと好きになったって言いやがって……あの時もう俺はお前のこと好きだったし、ねぇって思ったんだけど、このままこいつと付き合えばお前を取られることはないって」  俺の胸元に顔を付けていた創介はチラッと上目遣いでこっちの様子を窺う。  俺がため息を吐きながらその首に腕を絡めて抱きつくと、創介もそろりと遠慮しながら俺の背中にも手を伸ばした。 「バカだな。お前」  笑いながら腕に力を込めると、創介の腕にも力が入る。 「そりゃ、ずーっと彼女欲しかったし、俺も好きだった子なのにフザけんなって思ったこともあったけどさ。もういいよ」  ギュッてされる今が何かめちゃくちゃ幸せだって思うから。 「あ、でも、俺がずっと童貞だったのってお前のせいなんだな」  ジロっと睨んでやると、創介は肩を竦める。

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