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第9話(2)

 そんな俺のプチパニックを無視して、創介は無理矢理布団を剥いで目を合わせてきた。  創介の顔なんて見たら一気に顔も熱くなるのに、創介は笑いながら口を塞いできて耳に聞こえてくる音で更に恥ずかしくなる。  でも、抱き締められてキスをされるのが気持ちよくて俺もそろりと創介の背中に手を回した。 「風呂行くか。で、腹減ってるだろ?温め直して食おう」  頷いて手を握られたままベッドから降りる。  さっと創介が俺の服を持ったのを見て俺だけ全裸なのがまた恥ずかしい。 「パンツだけでもちょうだい」 「今から脱ぐのにいいだろ?」  創介は全く気にすることもなくて、さっさと風呂場まで連れて来られた。  それならすぐに入ろうとドアを開けると、創介まで上を脱いだのを見て固まる。 「え?何で?」 「1人で洗えんの?」 「洗えるわ!!」 「日付変わってるし、さっと入ってパッと食って寝るぞ!」  怒鳴っても、にこにこ笑われて俺は風呂場に入ってしゃがみ込んだ。  ただの見慣れた上半身なのにこんなにもドキドキするのは何でだ?ベルトを外しているだけ……そんな姿なんて今まで何度も見ているのに。 「ほら、座ってんな」  言いながらシャワーをかけられて顔を上げるとニヤニヤしている創介と目が合う。 「何でそんな真っ赤なんだよ」  笑われて、なぜか襲ってくる恥ずかしさと戦っているのにやたら丁寧に体も洗われて……俺、マジでのぼせそう。

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