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第9話(4)
「……昼間、莉音先輩と話してて……やっぱ幼なじみがキスしたり抜き合うのっておかしいって思ったんだよ。でも、それは嫌いじゃなくて……」
顔から湯気でも出ているんじゃないかと思う。
「めっちゃ恥ずかしいけどな!!気持ちいいんだよ。お前のキスも手でされるのも……」
ちょっとその感覚を思い出してしまって身体を揺らすと、創介は強く抱き締めてきた。
「……実はさ、莉音先輩に怒られたんだよ。気持ち伝えてないのに中途半端なことするなって……雄吾が混乱してるからちゃんとしろって」
「え?」
スマホの画面を見せられてゆっくり創介を見ると、創介は俺の肩に額を乗せてぎゅっと俺の服を掴んでくる。
「お前のこと好き過ぎておかしくなるかと思ってた。だから、大学は別にしようって県外にしたのにお前も来るし。しかも、一緒に住むとか……死ぬかと思った」
顔を上げた創介の顔が近過ぎて焦ると、創介はフッと笑って離れていった。
頭を撫でられてグラタンをつけた皿を渡される。
「お前に近づく女全部食い散らかして遠ざけるくらいマジなんだって。自分でも重過ぎるヤベぇって思うけど止まんねぇの」
自嘲気味に笑う創介に手を伸ばすと、創介は俺の手を握ってスッとそこに擦り寄ってきた。
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