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第9話(6)
嬉しくて閉じた目を開けると、創介はちょっと呆れたように笑う。
「で?付き合ってくれんの?」
「……初彼氏?」
ちょっと戸惑いつつ創介を見ると、創介はにこにこと嬉しそうに顔を綻ばせた。
「いいな。その響き」
幸せそうなその顔を見て、俺も嬉しくなる。
でも、腰を引き寄せてきたその手から逃れると、創介はちょっとムッとした。
「あんまくっつくのは止めよ」
「は?付き合うのに?」
「付き合うからだろ。学校では今まで通り幼なじみで親友!そのボロを出さないように普段から線は引いときたい」
どう見ても納得していない創介の顔。
「お前、気持ち良くして欲しいくせに?」
ちょっとウッと唸る。決意が揺らぎそうになった。
「そりゃ、たまには……でも、男同士じゃん!わざわざカミングアウトする必要ねぇだろ?お前いっつも女の子連れてたし、おもしろおかしく突っかかってくる奴とか居そうじゃん」
「そんなの関係な……」
「くねぇから!お前はイケメンで何でもスマートにこなすカッコいい奴なんだよ!悪く言われるのは俺が嫌だ!」
遮って言うと、今度は創介が唸る。
だって……付き合うってそんな軽いことじゃないだろ?
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