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第9話(7)

「カミングアウトしないのはわかった。まぁ、理解はできる。でも、普段からそうする必要あるか?一緒に住んでんだぞ?しかも、2人だけで」  創介は明らかに不満顔だ。 「それでなぁなぁにしたら絶対気ぃ抜けるもん。俺が!」  さすがに創介が黙る。  グラスを持ってお茶を飲みながらしばらくムッとしていた。だが、コトッとグラスを置いた創介は俺をじっと見てくる。 「……ならキスマ付けさせて」 「は?」  気にしないように飯を食っていた俺は軽くむせた。しかも、すぐに押し倒されてサッと箸を抜き取られて焦る。  ……これは経験の差か? 「できるだけ我慢する。だけど、俺のモンだって印は付けさせろ」 「ちょっ!!拒否権は!?」 「ねぇよ」  言いながらTシャツをまくられて創介の唇が俺の鎖骨に触れる。  何度もキスをされて少しもどかしく感じていると、ピリッと小さな痛みがして慌ててそこを見た。  胸元についた赤い痕。 「ちょっ!!おいっ!!」 「こっちもな」  下着ごと短パンを下げられて焦っているのに創介はにこにこしながら顔を寄せる。  際どい辺りに口を付けられてビクッとすると、またチリッと……腰骨や臍の辺りから本当に際どい足の付根まで至る所に創介は顔を埋めて俺は必死にその髪を掴んだ。

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