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第10話(3)

「めっちゃ綺麗に色出てますよ!」  プリンターの前で待ち構えていた俺はディスクを持って創介と竹先輩の居るパソコンの方へ戻る。 「おー!……どう思う?」  先に印刷したジャケットの入ったケースにそのディスクを収めると、竹先輩は俺たちを見て意見を求めてきた。 「売り物じゃないですか!こんな立派な感じになるとか感動ですよ!」 「うん。ロゴがカッコいいしこれなら俺も買います」  出来上がりを見て興奮気味の俺と冷静に見て口を開いた創介。 「マジで?じゃあ、これ完成版にしよっかな!志村たちに確認して反応よかったらDVDみんなの分も作るからな!」  竹先輩は莉音先輩と同じ学部で授業の合間とか一緒に居るのはよく見る。 「竹先輩、デザインもイケるんですね!」  手に取ってまだ感動したまま眺める俺を見て、珍しく竹先輩はちょっと恥ずかしそうにした。 「いや、俺、編集とかは志村たちみたいにうまく出来ねぇからさ。お前らも含めて全部任せた分、ちゃんと残るもん作りたくて……結構試行錯誤したんだって」  何かいつもテンション高く笑っている竹先輩の意外な姿を見た気がする。 「てか、時間食っちまったな。お前らも一緒に飯食いに行かねぇ?」  頷く俺の横で創介が少し眉を寄せた気がしたけど……俺は笑って誤魔化した。

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