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第10話(4)

 学校から近い焼き鳥屋に入って竹先輩はビール。俺も……と言おうとしたのに、創介にコーラ2つと注文されて俺はちょっとスネながらコーラに口を付けていた。  焼き鳥だぞ!?飲みたくねぇのかよ!!  という思いがどうしてもある。まぁ、飲んだらまたやらかす気もしないでもないんだけど。 「お前ら飲まないんだ?」 「先輩、察して下さい。またすぐ帰りますよ?」  ビールを飲みながら笑う先輩に創介はため息混じりで答える。 「あぁ、そうだったな」  チラッとこっちを見て笑われて俺は頬を膨らませた。 「えー!そんなヒドかったですか?」 「自覚ねぇの?」 「記憶ないんですよ」 「それは幸せな」  笑う先輩に真面目な顔で返す創介を見て俺はプイっと店の中に視線を向ける。  ふん!どうせ酒癖悪いですよーだ!  中央のテーブルで楽しそうに笑うサラリーマンたちを見て俺も数年でそんな感じになるのかなぁ、なんてのんびり思う。  実家の酒屋を継ぐって手もあるけど……俺には向いてない気もするし。  ぼんやり考えていた俺はその奥の個室が目に入ってパッと猫背になっていた姿勢を伸ばした。 「ん?どうした?」  竹先輩の声が聞こえてそろりと指をさす。  そこにはあの美人と一緒に焼き鳥を食っている大和先輩が居た。

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