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第10話(5)

「あー、リア充のデートか……滅びろ」  舌打ちしてビールを煽る先輩。  笑顔で笑っている彼女を見てチリッと胸が痛む。  よかった……莉音先輩も一緒に来なくて。  無理矢理大和先輩の方へ出された串。大和先輩は文句を言いつつ口を開けてその串から肉を口にする。  見ていられなくてそろりと創介を見ると、創介はテーブルの下で俺の手をちょっと握った。  外だし目の前には竹先輩。こんなことしてちゃダメだと思うけど、今はちょっと切なくなっていたから。  勝手だな…と思いつつその手を握り返して目の前の串に目をやる。 「俺もあぁやって「あーん♡」とかされてぇわ」 「想像つかないですね」  創介が即答すると竹先輩は口を尖らせて悪態をついた。 「創介ぇ!お前いっつも女の子引き連れてんだから紹介しろよ!」 「いいですよ。もう女興味ないんで!どんなんがいいですか?」 「は?まぁ、とにかくスレンダー美人!あ、でも身長は160以下で」 「ロリ?」 「それは嫌だ!Eはある大人っぽい子がいいんだよ!」 「面倒臭いですね」  何か最低な会話が始まるし。  スマホを見ながら話す創介をチラッと見つつ、その中にどんだけの女が居るんだ?と思うとムカムカしてきて俺はパッと手を振り払った。

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