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第10話(7)
大和先輩が彼女と帰った後、絡み酒になってきた竹先輩を見て俺たちも解散することにした。
店の本当すぐ近くで一人暮らしをしている先輩を送ってから自転車で俺たちのアパートまで走る。
鍵を開けてくれてドアを持ったまま先に中に入れてくれた創介の横を通り過ぎて靴を脱ごうとした俺はドアを締めながらクルッとドアに押さえ付けられて軽く戸惑った。
「え?」
近づいてきた創介の目がちょっと熱を帯びていて俺はそれだけで少しクラクラしてくる。
ガシャンと鍵が締まる音を聞きながら目の前に創介の顔が迫ってきて口を塞がれた俺はぎゅっとその腰辺りにある創介の服を掴んだ。
軽く何度か角度を変えただけで離れていく口を追って思わず眉を寄せて舌を伸ばしたくなる。
「なんつー顔してんだよ」
笑って髪をぐしゃぐしゃにされて俺はそっぽを向いた。
「……こうやってすぐタガが外れるのはよくない」
「今は2人きりだし、ちょっと触りたかっただけだって」
軽く笑って離れていく創介の後ろ姿を見ながらちょっと寂しくなるのを首を振って平常心を手繰り寄せる。
「……雄吾」
「ん?」
階段を上り始めた創介がすぐに振り返ったのを見て首を傾げると
「好きだぞ」
創介が穏やかに微笑んで、俺はボンッと頭が破裂したかと思った。
「ふふ……真っ赤」
満足げに笑いながら創介はまた階段を上り始める。
あったり前だろっ!!急に何てこと言うんだっ!!
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