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第11話(2)
今までならお気に入りの動画ですぐだったのにそんな気分も盛り上がらない。
ここ数日はもう頭に浮かべるのは創介にされたあの恥ずかしくて気持ち良すぎたあの夜のこと。
「雄吾、わかるか?」
創介の声を思い出しつつ手の動きを速める。
あの熱い舌、大きくていっぱい優しく撫でてくれたあの手、挿ってきた指、ゾクッとする程の吐息混じりの声、熱っぽい目……。
創介を想うだけで硬度は増していくし、自分でもどうなんだと思いつつ限界を感じてティッシュを掴んだ。
イッたはずなのに何かスッキリしない。
「……バカ」
ティッシュを投げて布団を被って丸まる。
全然眠れる気がしない。
寝不足なのもこんなモヤモヤしてんのも創介のせいだ!!
そりゃ、あんまイチャついたりするのやめようって言ったのは俺だし、そうやって線引きしないと無理な気がしたからなんだけど。
でも……でもっ!!わかんだろっ!!
一緒に暮らしてるのに?って言ったのはあいつなのに……てか、あいつ平気なのか?
まさか……女とヤって……る?
明日は遂に学祭当日、俺は創介と2人で受付を任されているのに……
「あのアホ!!」
ガンッと勢いよく目の前の壁を殴りつけて、俺はズキズキする拳を握りしめながら歯を食い縛って目を閉じた。
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