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第12話(6)
「ヤダ……抜いて……」
急に不安になって情けない声をあげると、創介は嬉しそうに笑う。
「今日帰ってきたら抜いてやるよ」
「は?」
え?今、何て言った?
今、まだ起こされたところで、しかも、今日は学祭最終日。受付だぞ!めっちゃ座るんだぞ!!
「こんなん入ってて……座れない……」
くっそ……涼しい顔しているその襟元を掴んで叫んでやりたいのにうまくしゃべることもできない。
てか、声掠れてんだけど?
「ちゃんと隣に居るから大丈夫だろ?それに抜きたいなら早く帰ればいい訳だし?ほら、水」
こいつ……俺が莉音先輩を誘って飯行こうとしてたの阻止しようとしてんのか?てか、前、竹先輩の誘いに乗って飯行ったことも根に持ってる?
グラスに口を付けていつものレモンを感じながら喉を潤した。
だが、尻の方の異物感は消えない……どころか、中にあるものを認識してしまったからか余計にその存在を感じる。
「俺の尻……どうなんの?」
思わず零れた涙も創介に抱き締められてそっと拭われた。
「大丈夫。無茶させたくねぇからこれで拡げるだけだから」
頭を撫でていい感じの雰囲気にしてるけど……原因お前だからな!?
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