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第15話「ヤべぇ」
不意に目が覚めて目を開けると、創介は微笑んで立てた腕を頬杖にして俺を見下ろしていた。
「起きたか?」
空いているもう片方の手で前髪を整えられて、俺はぼんやりとした頭を少しずつ覚醒させる。
やたら喉が乾いていて「ア"ー」と掠れた声を出すと、創介は笑いながらそっとおでこにキスをして「待ってろ」と部屋を出て行った。
創介の後ろ姿を見送ってから横向きで寝ていた体をゴロンと仰向けになるように転がす。
だが、下半身に思いっきり違和感を感じて俺は呻いてそろりと手を伸ばした。
とりあえず、尻にまた何かを挿されたりはしていない。でも、かなり腰は重ダルくてズキズキと痛む。尻が思ったより平気なのは……やはり創介があれだけ拡げてくれたからだろうか。
痛みで辛いのは嫌だけど……あの拡張のアレコレはやっぱり思い出すだけでかなり恥ずかしい。憤死する。
「水、飲めるか?」
部屋に戻ってきた創介が持つグラスもいつものグラスだけじゃなくてストローまでさしてあるのは……やはり気遣いだろうか。
「すっげぇ優しいじゃん」
上半身を起こされて後ろに回り込んだ創介にもたれかかりながら笑うと、創介はちょっとムッとする。
「いつも優しいだろうが」
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